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2025 06.06
【レポート】大ヒット御礼アンコール舞台挨拶を実施いたしました!
6月5日(木)に都内映画館で『岸辺露伴は動かない 懺悔室』大ヒット御礼アンコール舞台挨拶が実施され、主演の高橋一生さん、渡辺一貴監督が登壇されました。
身近なところからも反響が漏れ伝わってきていると話す高橋さんは「どんな評価であっても、注目されて足を運んでいただいている事実だけでもうれしいです」と笑顔で劇場を埋め尽くす観客たちへ語り掛け、まだまだ話していないことがたくさんあると前置きをして舞台挨拶はスタート。
映画オリジナルのエピソードを追加し、実写化不可能と言われていた「懺悔室」を「岸辺露伴」シリーズ史上最大のスケールで描き出す本作。渡辺監督は実写化にあたって思いもしなかったことが起きたと切り出すと、本作では原作者の荒木飛呂彦先生から具体的なアイデアをもらい原作エピソードをアレンジしたと、とびきりの裏話を披露。荒木先生直筆のラフスケッチをスクリーンに映し出して解説するというファンには嬉しすぎる貴重なトークが繰り広げられ、ネタバレしすぎないよう細心の注意を払わなければならない解説に少し戸惑いながらも「水尾は原作とは違う死に方をするのですが…」と語り始められた渡辺監督。荒木先生からは『不幸な死に誘われるように死んでほしい。思いもしなかった不幸が重なって死に至ってほしい』というお題をもらい、構想を練っていたところに「こんなのはどうだろう?」と荒木先生から手描きのアイデアが届いたという。「(荒木先生のアイデアの)エッセンスを汲んだ最期にさせていただいています」と明かされました。荒木先生からアイデアが届くというシリーズ初めての出来事に「実写を始めたころは想像もしなかったこと。ただただ幸福でした」と感激といった様子の高橋さんの言葉に、渡辺監督も「荒木先生から(アイデアを)いただくこと自体に重みを感じました」とうれしそうに報告されました。ラフスケッチを見つめ「荒木先生の描写でも観たい!」と願望を口にされた高橋さん。漫画になれば「すごくホラーで残酷な感じになるんだと思うとワクワクします」と目を輝かせ、漫画と実写で描くことでの効果について「荒木先生の中でしっかりあるんだろうなと思います」と想像する場面も。
タッグを組んで6年目となる高橋さんと渡辺監督。お互いの印象の変化については「ずっと変わっていない」と答えた高橋さん。「一貴さんが見せたいもの、画で見せたいものを感じられるから、言葉は多く必要ではないです。もちろん直接的に言葉を伝えることは必要だけど、演出で言葉を投げかけてくれる。だから僕はお芝居で返す。という形で6年続けられたのはよかったなと思っています」と満面の笑みで伝えられました。6年も経ったとは全く感じていないという渡辺監督は「毎回、露伴先生へのアプローチが変化しているところを目の当たりにしている。一生さんを知っていくというより、知らないことが増えていくといった印象。謎が深くなっていくところはあるかもしれません」と回答。高橋さんの新たな露伴の表現を見るたびに「こういう一面があったんだというのを毎年、お芝居でお返事いただく感じ。それを見逃さずに食らいついていくという感じが続いています」とここまでの歩みと関係性に触れられていました。その具体的な例として挙げたのが映画本編に出てくる【露伴の地団駄】。「これは、取材などでもお話しているのですが、僕も(露伴の表現として)想像していなくて。でも、露伴って(こういうこと)するよねってなる。6年間、一生さんの中に染み込んできたものが、あのシチュエーションで出てきたことがうれしくて。僕はゲラゲラ笑っちゃいました。露伴、するよねというところが、一生さんが積み重ねてきたものから出てきて演じていらっしゃった感じです」と予想もしなかった表現が生まれたエピソードを披露されました。
イベントでは公式SNSで「#岸辺露伴に質問ッ」というハッシュタグで募集した質問に答えるコーナーも。<ヴェネツィアでの撮影中にあったハプニングは?>の質問に「食事の時間がすごく大変でした」と切り出した高橋さん。撮影中はイタリアと日本のスタッフ、キャストが一緒にレストランで食事をとっていたそうで、渡辺監督も「アピールしないと飯が来ない!」と高橋さんに続き思い出し笑い。積極的に食事をとりに行かないと、テーブルが空いたままだったとも補足したが、そんな光景こそが幸せな時間だったと振り返った高橋さんは「初日から同じ釜の飯を食っていると感じたし、みんなが一緒にご飯を食べているところを見るのが幸せでした」と優しい笑みを浮かべられていました。
渡辺監督は後半に登場するオペラのシーンの撮影を挙げ、「オペラなので喉が大事。現地キャストの方からは最初1回しか本番をやらないと言われていて」と状況を説明。一発撮りしか許されないような環境だったはずなのに、「歌い出したら気持ちよくなったのか、もう俺たちを撮らないのかって言われて(笑)。結局数回撮らせてもらいました」とうれしい誤算があったとニヤリ。ヴェネツィアの人々との交流があってこそ完成した本作だが、高橋さんはその経験を経て「最初はフラットに見えるけれど、コミュニケーションを重ねると人柄が出てくる。とても陽気で前向きな方たちで本当にすばらしい!」とスタッフ・キャストの仕事への向き合い方に感心したとも話されました。
<幸福だと思うときはどんなことを考えますか?>との質問には、高橋さんは「とにかくおすそ分けしなきゃ!って思います。幸福が訪れたら、独り占めしちゃうとバランスが崩れるような気がするので」と回答。渡辺監督は「最後の京香の言葉に尽きるな」と、映画を観て答えを見つけてほしいとも語られました。
最後の挨拶で渡辺監督は「6年かけてやってきたことが間違っていなかったんだなと、皆様からの反応をいただいて、ホッとしているところです。またお会いできる機会ができるかもしれないし、できないかもしれないし。でも、できるように応援していただければと思います」とさらなる応援をリクエスト。高橋さんは「公開から4週にわたってたくさんの方に足を運んでいただいていること自体が大きな真実」と感謝。「幸福」と「絶望」が大きなテーマとなっている本作について「観る時間、観る背景によって捉え方が違ってくる作品。1度観ただけでも心の中に何か残ってくれればと思いながら、ヴェネツィアで撮影を重ねていました。僕らの足跡を見守ってくださってきた方に、ヒットという形でこういう場を借りてご挨拶でお礼ができることに感謝しています。しっかりとヴェネツィアの世界に浸ってください!」と呼びかけ、大きな拍手を浴びながらステージを後にされました。

COMMENT
高橋一生
【岸辺露伴役】
20年に岸辺露伴を演じさせていただいてから、これまでテレビドラマシリーズは4シーズン、前回の映画も入れて全10話、5年目になります。以前にもコメントさせていただきましたが、これだけ長い時間を一つの役と生きられることは、俳優として貴重な体験ですし、幸運に感じています。加えて、今回は原作に於ける「岸辺露伴は動かない」の原点である「懺悔室」を、幸運なことに原作通り、全編イタリアのヴェネツィアで撮影しました。定めていない原作世界の時系列が、生身の人間の僕が演じさせていただく岸辺露伴の世界では、一つに繋がっていきます。
ここにきて、ようやく原作の原点に手が届きました。この幸運も生身の人間だからこそ感じられることでしょうか、これまでご一緒してきたスタッフに加え、イタリアの陽気で真摯な素晴らしいスタッフが加わり、また新たな岸辺露伴の世界を作れたのではないかと思います。前回、パリのルーヴルの「後悔」で自身のルーツや過去、受け継がれるものに触れた露伴が次に遭遇するのは、捉える人によっては表裏一体となる現在の「幸運」です。原作ファンの方、これまで僕が演じさせて頂いてきた露伴の世界を愛してくださる方、どちらの方達にとっても、また、今から作品を見てくださる方にとっても、どなたに於いても楽しんで頂ける作品になっています。新たに加わった出演者の方達もご一緒する事が光栄な俳優さんばかりです。是非そちらも楽しみにして頂けると嬉しく思います。僕が露伴としてここまで演じさせて頂いた幸運と、携わって下さった皆さんとの出会いの幸運。その重なりとも云えるものを、劇場に足を運んでくださる皆様にお届け出来ること。今から楽しみにしております。
飯豊まりえ
【泉京香役】
「岸辺露伴は動かない」原作の原点でもある、
『懺悔室』の作品をやらさせて頂くことになりました。
今回、撮影で訪れたヴェネツィアは、歴史と芸術が息づく街でした。
いい緊張感、高揚感が漂っている撮影現場で、
特別な時間を過ごさせていただきました。
再び、露伴の世界に参加できたこと、
幸福な時間を噛み締めながら、
大切に演じさせていただきました。
ぜひ映画館で、楽しんで頂ければと思います。
井浦新
【田宮役】
小学生の頃から読み続けている荒木飛呂彦先生の作品群。
今の自分を形成する上で様々な影響と学びを受けて育ち、今も愛読し続けている特別なものです。
星の数ほどマンガ原作の映像作品はありますが、私にとって荒木先生作品に参加することは、ただ嬉しいだなんて簡単には言いがたく、覚悟の意味も度合いも変わってきます。と同時に、言葉では表すことのできない大歓喜にも襲われています。
共演したキャストの皆さん、そして監督を始めとするスタッフの方々からも、現場では同じ様な想いが伝わってきていました。原作への愛に満ちた全身全霊の魂のぶつかり合いと、イタリアのスタッフの方々と心を通わせ支え合った敬意溢れるクリエイションが、撮影地のヴェネツィアで毎日繰り広げられる幸せ。俳優という生業を続けてきて本当に良かったと感じる瞬間が、この作品にはたくさんありました。
早朝まだ誰もいない路地を歩いて支度場へ向かい、舟に乗り現場へ渡り、岸辺露伴の世界に生きる。
それをひたすら繰り返し暮らしながら撮影した日々は、全てが大切な心の風景として刻まれています。
愛と敬意でつくられた奇妙な物語から湧き上がる人間讃歌を、皆さんにスクリーンで覗き観していただける日が待ち遠しいです。
玉城ティナ
【マリア役】
家族。それは私にとって、生まれた時からそこにあった存在。今回の撮影を通じて、その意味を改めて考え直し、自分なりの答えを見つけることができました。
宿命と運命の違いとは?幸せとは何か?ヴェネツィアの街でマリアとして立つとき、仮面やステンドグラス、陽の光までもが問いかけてくるようで。それに精一杯応えようと挑んだ日々でした。
「岸辺露伴は動かない」シリーズの原点ともいえる作品に参加できたことを心から嬉しく思っています。
皆さん、本当にありがとうございました。
この作品が、あなたにとって何を残すのか――とても楽しみです。
戸次重幸
【ソトバ役】
個人的に愛読させていただいている荒木飛呂彦先生原作の作品に出演!
本当に光栄です!
全編ヴェネツィアロケという贅沢な撮影も、夢のようでした。
今回私は、スマホが顔認証してくれないほどのメイクをして臨んでいます。
一つ心配事として、この情報解禁がなければ、
この作品に私が出演していると誰も気付かないのでは?という不安があるほどです(笑)。
ただそれでも良いと思える程、役と作品に対して「これでもか!」というほど、拘らせていただきました。
主演の高橋一生さんを筆頭に素晴らしい共演者の皆様、そしてスタッフの皆様の「熱意」と「作品愛」も素晴らしく、ぜひ多くの皆様にご覧いただけることを願っております!
大東駿介
【水尾役】
原作、ドラマのファンとして、
岸辺露伴シリーズのルーツである『懺悔室』に参加出来ることを心から嬉しく思います。
僕としては日々壮絶なシーンの連続で、心を鎮めるために夜な夜なヴェネツィアの街を歩いていましたが、気付けばロケ地に足を運んでしまい、この美しい景色の中最高の環境で、逃れられない水尾の呪縛に身を置けることに、ゾクゾクとした心地良い幸福感を味わってきました。臓の奥から感情を吐き出して作品に残してきましたので、是非劇場でご覧頂きたいです。
渡辺一貴
【監督】
「岸辺露伴は動かない」シリーズ最初の作品「懺悔室」。
この記念すべき大切なエピソードを、オールヴェネツィアロケで撮影できたなんて、クランクアップした今でも信じられない。そこは陰と陽が混在する、不思議な街だった。廃墟、墓地、教会、貴族の館、迷路のような石畳の路地。そしてそこにいつものように凛として立つ露伴先生…。
撮影した全ての場所、全ての時間が愛おしい。いつまでも撮り続けていたい、この時間が終わらないでほしい…。
そんな思いを抱きながら撮影を続けるうちに、「『懺悔室』はこの街でなければ生まれなかったのだ」と確信した。この物語は「呪い」の物語でもあるが、「愛と覚悟」の物語でもあったのだ。退廃的で不道徳な気配に満ちた水都で繰り広げられる、弱くて滑稽で、それでも懸命にもがき続ける人々の奇妙な世界を覗き見て欲しい。
小林靖子
【脚本】
原作「懺悔室」は、初めて岸辺露伴をメインにして発表された作品です。ドラマはもう五年目ですが、このファーストエピソードに辿り着くには必要な時間だったと思います。これも皆様の応援あってこそと感謝いたします。舞台はヴェネツィアです。露伴はいつものように、見たいものを見、聞きたいものを聞き、結果幸運という名の災難に襲われます。ぜひスクリーンで見届けていただければ幸いです。