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2025 06.02
【レポート】大ヒット御礼舞台挨拶を実施いたしました!
5月30日(金)に都内映画館で『岸辺露伴は動かない 懺悔室』大ヒット御礼舞台挨拶が実施され、主演の高橋一生さん、共演の飯豊まりえさん、玉城ティナさん、戸次重幸さん、大東駿介さん、井浦新さん、渡辺一貴監督が登壇されました。
公開を迎えて約1週間。この日も満員御礼で実施され、主演の高橋さんは「大ヒット御礼舞台挨拶という事で、これほど嬉しい事はありません。これまで実写シリーズとして支えてくださいました皆様、原作ファンの方、初めてこの作品に触れた方とこの場を分かち合える事を本当に嬉しく思っております」と喜びを噛みしめられました。
一方、当初登壇予定のなかった井浦さんは、作品への愛が高じて私服姿で飛び入り登壇となりました。「今日は無理かなと思ったのですが、みんなにも会いたいし観客の方々にも感謝を伝えたいしで、突然来てしまいました!」と声を弾ませ、会場からも拍手喝采。
露伴の“ぶち切れ”シーンが、「最高に露伴先生!」「田宮の演技が最高すぎる」とSNSで話題を呼んでいることについて高橋さんは「芝居の中で実際にチケットが落ちていて、それを上手い事踏んだのでムカッと来て地団太を踏んでしまいました」と舞台裏を明かし、背後で鳩が飛び立つ展開には「僕の地団太が石畳に対して攻撃力があったんだと思いました。撮影中はまるで象徴かのように鳩が集まってきました」と笑いを交えて振り返られました。
そんな高橋さんと対峙した井浦さんは「露伴が地団太を踏んで、その後ろで鳩が飛び立つのを見た時に『目の前に露伴がいる…』とファン心理が動きましたね。一生君は本当に露伴だなと。いってみれば僕が一番の観客として楽しめていて、確かに露伴はこうだよなと思いながら。OKを貰った時には、これは映画の神様からギフトを頂いたぞと思いました」と神がかりなシーンだったと熱弁。しかし当の高橋さんは自分の背後で起こった事だったためその奇跡的な出来事に気付いておらず、井浦さんに「すぐに一生君の所に行って『今の鳩凄かったよね!?』と言ったら『そうでしたか?』と…」と暴露され、場内の笑いを誘いました。
そんな名演技を披露した鳩について渡辺監督は「撮影スタッフが4、5日をかけてヴェネツィア中の鳩を撮りまくって、その中から厳選された助演賞ものの鳩たちです」とこだわりを明かされました。
ポップコーンシーンの撮影について大東さんは「風の影響などがあって普通に難しかったです。でも2日間やっていると、上達するもんで…。失敗しなければいけない所でもポップコーンが口に入ってしまう場面もありました」と意外な苦労を告白。その横で声の演技を披露された戸次さんは「生の声が欲しいという事で、大東さんが熱演されている横でガンマイクを握ってセリフを言いました」と回想。
結婚式のロケ地となったサン・ロッコ大信徒会館は、歴史のある非常に貴重な場所とのこと。飯豊さんは「サン・ロッコと彫られている床があって、そこは絶対に踏まないでくださいと言われました。ただ、そこを通らないといけない場面があって、その時は露伴先生が『踏むなよ』とアドリブで言ってくれました」と高橋さんの機転に感謝。玉城さんは「あのような場所でウエディングドレスを着られるとは思わず、冷静になると不思議な感覚です」と感激されていました。
舞台挨拶後半には「『岸辺露伴は動かない 懺悔室』は●●』形式のキャッチコピーをそれぞれご考案、フリップで発表されました。
急遽登壇となった井浦さんは考える時間がなかったことから「答えは公式SNSで!」と照れ笑い。
戸次さんは「エンドロールを見て私が出ている事を始めて知った」と言われることが多い事から、「最低二回見ないと私がどこに出ているか分かりません」と会場を笑わせました。
大東さんは文章ではなく、フリップに鳩とポップコーンのイラストを描き「原作においても大事なシーンだったのでひと際思いは強いです。あのポップコーンのシーンにすべてを込めてきたので筆が躍りました」と胸を張っていました。
渡辺監督は「人間讃歌」と発表。玉城さんは「二面性」という回答について「一つの伝え方では出来ないような、映画自体が二面性を帯びているから」と説明されました。飯豊さんはよく「怖いのこの映画?と言わることがあります」と明かし、「ミステリー、サスペンス…安心してください、泉くんがいますよ!!」と茶目っ気たっぷりの回答を披露。一方、高橋さんは「裁かず媚びない整っていない人間達の寓話。まだあります」とし、「露伴は人を裁かない。自分の中で腑に落ちれば、その人を断罪せずに去っていくスタイルをこれまでも取って来ました。かといって誰かに媚びるわけでもない。昨今整わされる圧を感じることもあるけれど、整っていない人間たちが寓話の中で生きている作品はなかなかない。そんなものがまだあります!という事です」と意図を説明されました。
最後に主演の高橋さんは「僕らは原作という大きく肥沃な土地に根を張らせていただき、もう6年目になります。皆さんの評価・応援という水や日差しを栄養に枝葉を伸ばしていき、ようやくここで一つの物語を紡げるほどの強度になって来たのではないかと思います。露伴は自分の人生を誠実に生きることを後押ししてくれるような存在です。今回は幸福や絶望というテーマがありますが、僕は裏テーマとして人が人である事とは何なのか?を意識しながら撮影に臨んでいました。皆さんにはこの作品から少しでも勇気を感じ取ってもらえたら嬉しいです。人間讃歌は『勇気』の讃歌ッ!!人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!!ですから。これはウィル・A・ツェペリの言葉です」と『ジョジョ』愛たっぷりに呼び掛け、舞台挨拶は温かな雰囲気の中終了しました。

COMMENT
高橋一生
【岸辺露伴役】
20年に岸辺露伴を演じさせていただいてから、これまでテレビドラマシリーズは4シーズン、前回の映画も入れて全10話、5年目になります。以前にもコメントさせていただきましたが、これだけ長い時間を一つの役と生きられることは、俳優として貴重な体験ですし、幸運に感じています。加えて、今回は原作に於ける「岸辺露伴は動かない」の原点である「懺悔室」を、幸運なことに原作通り、全編イタリアのヴェネツィアで撮影しました。定めていない原作世界の時系列が、生身の人間の僕が演じさせていただく岸辺露伴の世界では、一つに繋がっていきます。
ここにきて、ようやく原作の原点に手が届きました。この幸運も生身の人間だからこそ感じられることでしょうか、これまでご一緒してきたスタッフに加え、イタリアの陽気で真摯な素晴らしいスタッフが加わり、また新たな岸辺露伴の世界を作れたのではないかと思います。前回、パリのルーヴルの「後悔」で自身のルーツや過去、受け継がれるものに触れた露伴が次に遭遇するのは、捉える人によっては表裏一体となる現在の「幸運」です。原作ファンの方、これまで僕が演じさせて頂いてきた露伴の世界を愛してくださる方、どちらの方達にとっても、また、今から作品を見てくださる方にとっても、どなたに於いても楽しんで頂ける作品になっています。新たに加わった出演者の方達もご一緒する事が光栄な俳優さんばかりです。是非そちらも楽しみにして頂けると嬉しく思います。僕が露伴としてここまで演じさせて頂いた幸運と、携わって下さった皆さんとの出会いの幸運。その重なりとも云えるものを、劇場に足を運んでくださる皆様にお届け出来ること。今から楽しみにしております。
飯豊まりえ
【泉京香役】
「岸辺露伴は動かない」原作の原点でもある、
『懺悔室』の作品をやらさせて頂くことになりました。
今回、撮影で訪れたヴェネツィアは、歴史と芸術が息づく街でした。
いい緊張感、高揚感が漂っている撮影現場で、
特別な時間を過ごさせていただきました。
再び、露伴の世界に参加できたこと、
幸福な時間を噛み締めながら、
大切に演じさせていただきました。
ぜひ映画館で、楽しんで頂ければと思います。
井浦新
【田宮役】
小学生の頃から読み続けている荒木飛呂彦先生の作品群。
今の自分を形成する上で様々な影響と学びを受けて育ち、今も愛読し続けている特別なものです。
星の数ほどマンガ原作の映像作品はありますが、私にとって荒木先生作品に参加することは、ただ嬉しいだなんて簡単には言いがたく、覚悟の意味も度合いも変わってきます。と同時に、言葉では表すことのできない大歓喜にも襲われています。
共演したキャストの皆さん、そして監督を始めとするスタッフの方々からも、現場では同じ様な想いが伝わってきていました。原作への愛に満ちた全身全霊の魂のぶつかり合いと、イタリアのスタッフの方々と心を通わせ支え合った敬意溢れるクリエイションが、撮影地のヴェネツィアで毎日繰り広げられる幸せ。俳優という生業を続けてきて本当に良かったと感じる瞬間が、この作品にはたくさんありました。
早朝まだ誰もいない路地を歩いて支度場へ向かい、舟に乗り現場へ渡り、岸辺露伴の世界に生きる。
それをひたすら繰り返し暮らしながら撮影した日々は、全てが大切な心の風景として刻まれています。
愛と敬意でつくられた奇妙な物語から湧き上がる人間讃歌を、皆さんにスクリーンで覗き観していただける日が待ち遠しいです。
玉城ティナ
【マリア役】
家族。それは私にとって、生まれた時からそこにあった存在。今回の撮影を通じて、その意味を改めて考え直し、自分なりの答えを見つけることができました。
宿命と運命の違いとは?幸せとは何か?ヴェネツィアの街でマリアとして立つとき、仮面やステンドグラス、陽の光までもが問いかけてくるようで。それに精一杯応えようと挑んだ日々でした。
「岸辺露伴は動かない」シリーズの原点ともいえる作品に参加できたことを心から嬉しく思っています。
皆さん、本当にありがとうございました。
この作品が、あなたにとって何を残すのか――とても楽しみです。
戸次重幸
【ソトバ役】
個人的に愛読させていただいている荒木飛呂彦先生原作の作品に出演!
本当に光栄です!
全編ヴェネツィアロケという贅沢な撮影も、夢のようでした。
今回私は、スマホが顔認証してくれないほどのメイクをして臨んでいます。
一つ心配事として、この情報解禁がなければ、
この作品に私が出演していると誰も気付かないのでは?という不安があるほどです(笑)。
ただそれでも良いと思える程、役と作品に対して「これでもか!」というほど、拘らせていただきました。
主演の高橋一生さんを筆頭に素晴らしい共演者の皆様、そしてスタッフの皆様の「熱意」と「作品愛」も素晴らしく、ぜひ多くの皆様にご覧いただけることを願っております!
大東駿介
【水尾役】
原作、ドラマのファンとして、
岸辺露伴シリーズのルーツである『懺悔室』に参加出来ることを心から嬉しく思います。
僕としては日々壮絶なシーンの連続で、心を鎮めるために夜な夜なヴェネツィアの街を歩いていましたが、気付けばロケ地に足を運んでしまい、この美しい景色の中最高の環境で、逃れられない水尾の呪縛に身を置けることに、ゾクゾクとした心地良い幸福感を味わってきました。臓の奥から感情を吐き出して作品に残してきましたので、是非劇場でご覧頂きたいです。
渡辺一貴
【監督】
「岸辺露伴は動かない」シリーズ最初の作品「懺悔室」。
この記念すべき大切なエピソードを、オールヴェネツィアロケで撮影できたなんて、クランクアップした今でも信じられない。そこは陰と陽が混在する、不思議な街だった。廃墟、墓地、教会、貴族の館、迷路のような石畳の路地。そしてそこにいつものように凛として立つ露伴先生…。
撮影した全ての場所、全ての時間が愛おしい。いつまでも撮り続けていたい、この時間が終わらないでほしい…。
そんな思いを抱きながら撮影を続けるうちに、「『懺悔室』はこの街でなければ生まれなかったのだ」と確信した。この物語は「呪い」の物語でもあるが、「愛と覚悟」の物語でもあったのだ。退廃的で不道徳な気配に満ちた水都で繰り広げられる、弱くて滑稽で、それでも懸命にもがき続ける人々の奇妙な世界を覗き見て欲しい。
小林靖子
【脚本】
原作「懺悔室」は、初めて岸辺露伴をメインにして発表された作品です。ドラマはもう五年目ですが、このファーストエピソードに辿り着くには必要な時間だったと思います。これも皆様の応援あってこそと感謝いたします。舞台はヴェネツィアです。露伴はいつものように、見たいものを見、聞きたいものを聞き、結果幸運という名の災難に襲われます。ぜひスクリーンで見届けていただければ幸いです。