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2025 05.13

【レポート】ジャパンプレミアを実施いたしました!

映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』ジャパンプレミアが5月12日に都内劇場で実施され、主人公の人気漫画家・岸辺露伴役の高橋一生さんを始め、共演の飯豊まりえさん、戸次重幸さん、井浦新さん、そして渡辺一貴監督が登壇されました。

札幌、名古屋、大阪、福岡の劇場とも中継が繋がる中でラインナップした面々。人の心や記憶を本にして読み、指示を書き込むこともできる特殊能力を持つ、人気漫画家・岸辺露伴を演じた高橋さんは「高橋一生を演じた岸辺露伴です」とジョークを発して会場を笑わせながら、「本作の見どころはポップコーンバトル。とても白熱しているのでそんなところも観て頂ければと思います」と原作でも名シーンと呼ばれる、「幸福の絶頂の時に“絶望”を味わう」奇妙な呪いにかけられた水尾(大東駿介)が生死をかけたポップコーンバトルに挑むシーンをいち早く本作を鑑賞するファンにアピールされました。

集明社に勤める、露伴の担当編集で露伴の取材にいつも付き添う泉京香役の飯豊さんは、日本映画としては初となる全編ヴェネツィアロケに感激しながら、「本作のテーマは幸せ。泉君が露伴先生に自分の意見を言う場面では、彼女の持つ明るさと裏にある邪悪さに私自身も驚きました。幸せの感じ方と価値観、受け取り方は人によって違うと思いますが、それぞれのキャラクターの幸せの形にも注目して欲しいです」とアピール。

“絶望”の淵から呪い続ける浮浪者・ソトバ役の戸次さんは発表当時から自身が原作の影響を強烈に受けていると話していらっしゃいました。「今回のオファーには誰よりも自分が驚きました。原作ファンでもあるので、この役で!?と。ただ荒木先生の作品を読んで成長してきた自覚のある自分としては本当に嬉しかったし、同時にプレッシャーも感じました。いや、嬉しさの方が勝ったかな?」と完成を迎えてホッとしているご様子。

懺悔室で露伴に自らの犯した「あやまち」を告白する謎の男を演じた井浦さんも原作ファンであるため、「ご褒美!」と本作への参加に喜色満面で「嬉しさや幸せを感じているけれど『やったー!』と浮かれていられませんでした。それは約5年間このシリーズを一視聴者として観てきて、その流れに参加している意識もあるからです。でも皆さんは初めて出会った本読みの時からウェルカムな空気で受け入れてくださった。ヴェネツィアに行ったときは合宿のような感覚で助け合って励まし合って、お互いの撮影を見に行ったりして、そういうことが自然と起きる組ってありそうでない。凄い座組でやらせてもらっている事に幸せを感じました」と手応え十分だったようです。

また、高橋さんは自らの発案でイタリア語に変換したとあるセリフに触れて「前回のフランス語に比べてイタリア語はカタカナ発音に近いのかなと思いました。フランス語よりはライトに出来たかと思います」というも「イタリア語にしたいと言った自業自得は僕にありますが、思った以上に長かったです」とイタリア語の「ヘブンズ・ドアー」は自らのアイデアだったと告白。「でもリズムは大切にしたかったので、そのままでやらせていただきました」と舞台裏をお話されました。さらに、「幸福の絶頂の時に“絶望”を味わう」という奇妙な呪いをかけられる本作にちなんで「最近、幸せに感じたこと」を聞かれた高橋さんは「ヴェネツィアから帰ってきた日の日本食がとにかく美味しかったです。僕はやはり日本人だと。本当にご飯が美味しかったですね」と述べて「どこの…とは言えませんがスタンダードな丼ぶりが美味しかったです!これは本当に幸せでした」と笑いを誘っていました。

ここで、原作者・荒木飛呂彦先生からメッセージが到着。【この度、実写映画化にあたって「オールヴェネツィアロケ」とお聞きし「そこまでやる(行く)のか…。」と思いました。『短編』だった作品が、『岸辺露伴』がそうやって広がっていくことがとても感慨深いです。旅情豊かで、人生があって、香り高い宝石のような第一級のサスペンス作品。私たちの目指すところはそこだからです。】この言葉に高橋さんは「先生が仰る『私たち』の中に僕らが入っていると思うと、非常に身の引き締まる思いです。そしてこの映画に荒木先生が文章を寄せてくださるという事が一つの結実点だと思います。荒木先生の言葉に感動しますし、それにしっかりと応えられる強度のある作品になっているはずだと思っています」と胸を張った。渡辺監督も「香り高い宝石のような第一級のサスペンス、というのは僕らが映画で目指していたところでもあるので、荒木先生の思いと勝手にリンクさせながら感動しています」としみじみ。改めてヴェネツィアロケを振り返り「本当に夢のような時間で、自分が思っている10倍、20倍のレスポンスが皆さんの芝居から返って来て、人の演じる力の凄さを感じることが出来ました。人間ドラマとしての完成度も楽しんでご覧いただければ幸いです」とアピールされました。

さらにキャスト陣にはサプライズで、荒木先生による描きおろしイラストが公開。代表して受け取った高橋さんは「ウワー!これは僕すぐに持って帰りたいですね!あ、ダメか。みんなと分かち合わないと。ヴェネツィア2025と書いてあって、今回の映画にしっかりと寄せて作画されているのが伝わります。こんな有難い事ってないですね」と大興奮。全員でイラストを囲んで鑑賞する中、戸次さんが「僕も持っていいですか?」とおねだりして高橋さんからイラストを受け取り「ウワー!凄いですね~!何かオーラが出ています」と声を弾ませていらっしゃいました。

最後に高橋さんは「この作品が皆さんに香り高い宝石のように愛していただけるために、僕らは作ってきたと思います。これまでの映画とは違う、異端さ、面白さを観客の皆さんが繋いでいってくださるのはとても幸福です。上映は2時間くらいあると思いますが、ヴェネツィアの世界、飛呂彦さんの世界、私たちが作ったこの作劇に存分に酔いしれて楽しんで頂きたいです」と熱を込めて語り掛け、イベントは熱気に包まれたまま終了しました。

COMMENT

高橋一生

【岸辺露伴役】

20年に岸辺露伴を演じさせていただいてから、これまでテレビドラマシリーズは4シーズン、前回の映画も入れて全10話、5年目になります。以前にもコメントさせていただきましたが、これだけ長い時間を一つの役と生きられることは、俳優として貴重な体験ですし、幸運に感じています。加えて、今回は原作に於ける「岸辺露伴は動かない」の原点である「懺悔室」を、幸運なことに原作通り、全編イタリアのヴェネツィアで撮影しました。定めていない原作世界の時系列が、生身の人間の僕が演じさせていただく岸辺露伴の世界では、一つに繋がっていきます。

ここにきて、ようやく原作の原点に手が届きました。この幸運も生身の人間だからこそ感じられることでしょうか、これまでご一緒してきたスタッフに加え、イタリアの陽気で真摯な素晴らしいスタッフが加わり、また新たな岸辺露伴の世界を作れたのではないかと思います。前回、パリのルーヴルの「後悔」で自身のルーツや過去、受け継がれるものに触れた露伴が次に遭遇するのは、捉える人によっては表裏一体となる現在の「幸運」です。原作ファンの方、これまで僕が演じさせて頂いてきた露伴の世界を愛してくださる方、どちらの方達にとっても、また、今から作品を見てくださる方にとっても、どなたに於いても楽しんで頂ける作品になっています。新たに加わった出演者の方達もご一緒する事が光栄な俳優さんばかりです。是非そちらも楽しみにして頂けると嬉しく思います。僕が露伴としてここまで演じさせて頂いた幸運と、携わって下さった皆さんとの出会いの幸運。その重なりとも云えるものを、劇場に足を運んでくださる皆様にお届け出来ること。今から楽しみにしております。

飯豊まりえ

【泉京香役】

「岸辺露伴は動かない」原作の原点でもある、
『懺悔室』の作品をやらさせて頂くことになりました。
今回、撮影で訪れたヴェネツィアは、歴史と芸術が息づく街でした。
いい緊張感、高揚感が漂っている撮影現場で、
特別な時間を過ごさせていただきました。
再び、露伴の世界に参加できたこと、
幸福な時間を噛み締めながら、
大切に演じさせていただきました。
ぜひ映画館で、楽しんで頂ければと思います。

井浦新

【田宮役】

小学生の頃から読み続けている荒木飛呂彦先生の作品群。
今の自分を形成する上で様々な影響と学びを受けて育ち、今も愛読し続けている特別なものです。
星の数ほどマンガ原作の映像作品はありますが、私にとって荒木先生作品に参加することは、ただ嬉しいだなんて簡単には言いがたく、覚悟の意味も度合いも変わってきます。と同時に、言葉では表すことのできない大歓喜にも襲われています。
共演したキャストの皆さん、そして監督を始めとするスタッフの方々からも、現場では同じ様な想いが伝わってきていました。原作への愛に満ちた全身全霊の魂のぶつかり合いと、イタリアのスタッフの方々と心を通わせ支え合った敬意溢れるクリエイションが、撮影地のヴェネツィアで毎日繰り広げられる幸せ。俳優という生業を続けてきて本当に良かったと感じる瞬間が、この作品にはたくさんありました。
早朝まだ誰もいない路地を歩いて支度場へ向かい、舟に乗り現場へ渡り、岸辺露伴の世界に生きる。
それをひたすら繰り返し暮らしながら撮影した日々は、全てが大切な心の風景として刻まれています。
愛と敬意でつくられた奇妙な物語から湧き上がる人間讃歌を、皆さんにスクリーンで覗き観していただける日が待ち遠しいです。

玉城ティナ

【マリア役】

家族。それは私にとって、生まれた時からそこにあった存在。今回の撮影を通じて、その意味を改めて考え直し、自分なりの答えを見つけることができました。
宿命と運命の違いとは?幸せとは何か?ヴェネツィアの街でマリアとして立つとき、仮面やステンドグラス、陽の光までもが問いかけてくるようで。それに精一杯応えようと挑んだ日々でした。

「岸辺露伴は動かない」シリーズの原点ともいえる作品に参加できたことを心から嬉しく思っています。
皆さん、本当にありがとうございました。
この作品が、あなたにとって何を残すのか――とても楽しみです。

戸次重幸

【ソトバ役】

個人的に愛読させていただいている荒木飛呂彦先生原作の作品に出演!
本当に光栄です!
全編ヴェネツィアロケという贅沢な撮影も、夢のようでした。
今回私は、スマホが顔認証してくれないほどのメイクをして臨んでいます。
一つ心配事として、この情報解禁がなければ、
この作品に私が出演していると誰も気付かないのでは?という不安があるほどです(笑)。
ただそれでも良いと思える程、役と作品に対して「これでもか!」というほど、拘らせていただきました。
主演の高橋一生さんを筆頭に素晴らしい共演者の皆様、そしてスタッフの皆様の「熱意」と「作品愛」も素晴らしく、ぜひ多くの皆様にご覧いただけることを願っております!

大東駿介

【水尾役】

原作、ドラマのファンとして、
岸辺露伴シリーズのルーツである『懺悔室』に参加出来ることを心から嬉しく思います。
僕としては日々壮絶なシーンの連続で、心を鎮めるために夜な夜なヴェネツィアの街を歩いていましたが、気付けばロケ地に足を運んでしまい、この美しい景色の中最高の環境で、逃れられない水尾の呪縛に身を置けることに、ゾクゾクとした心地良い幸福感を味わってきました。臓の奥から感情を吐き出して作品に残してきましたので、是非劇場でご覧頂きたいです。

渡辺一貴

【監督】

「岸辺露伴は動かない」シリーズ最初の作品「懺悔室」。
この記念すべき大切なエピソードを、オールヴェネツィアロケで撮影できたなんて、クランクアップした今でも信じられない。そこは陰と陽が混在する、不思議な街だった。廃墟、墓地、教会、貴族の館、迷路のような石畳の路地。そしてそこにいつものように凛として立つ露伴先生…。
撮影した全ての場所、全ての時間が愛おしい。いつまでも撮り続けていたい、この時間が終わらないでほしい…。
そんな思いを抱きながら撮影を続けるうちに、「『懺悔室』はこの街でなければ生まれなかったのだ」と確信した。この物語は「呪い」の物語でもあるが、「愛と覚悟」の物語でもあったのだ。退廃的で不道徳な気配に満ちた水都で繰り広げられる、弱くて滑稽で、それでも懸命にもがき続ける人々の奇妙な世界を覗き見て欲しい。

小林靖子

【脚本】

原作「懺悔室」は、初めて岸辺露伴をメインにして発表された作品です。ドラマはもう五年目ですが、このファーストエピソードに辿り着くには必要な時間だったと思います。これも皆様の応援あってこそと感謝いたします。舞台はヴェネツィアです。露伴はいつものように、見たいものを見、聞きたいものを聞き、結果幸運という名の災難に襲われます。ぜひスクリーンで見届けていただければ幸いです。